Higlasi-1A 仕様変更

梅雨時そして満月期という事で、天体写真撮影に欠かせないポータブル赤道儀「Higlasi-1A」を開発・製造元である如意設計工房さんに送り返し、メンテナンスと個人仕様への変更をお願いしておりました。
週末に送って、週明けの火曜日には手元に戻っているというスピーディな対応。(感謝感謝)

帰ってきたHiglasi-1A

3月から実際にHiglasi-1Aを使用して星景写真を撮ってきましたが、撮影する中でこういう仕様だったら自分の撮影スタイルにぴったりなのになぁと思ってきた痒い所に手が届く仕様変更をお願いしました。レリーズケーブルの手直し等細かい依頼もしましたが、本体の仕様変更点としては、

・DPPAモード動作角度の変更
　変更前：30度　→　変更後：44度

狙い：45度と44度のどちらにしようか悩んで、Cadで角度を測りなおして44度に。
元々は真北導入スケールがない時点で検討していた項目なので、スケールが十分使えそうな事から角度を変更しなくてもいいかなと思っていたのですが、現場でペラペラOHPシートのスケールが風で飛んでいってしまったりとか、より軌跡が長い方が回転軸の中心が分り易いかと考えてオーダーしました。


・バルブ撮影時、時限秒数の変更
　変更前：10s 42s 60s 85s 120s 170s 240s 340s 480s 675s
　変更後：10s 30s 60s 90s 120s 180s 240s 360s 480s 600s
　
狙い：コンポジット用に複数枚撮る時に撮影枚数の確認用にスマホのタイマーアプリを使っているのですが、キリの良い数字の方が現場で暗算し易いかと思い調整してもらいました。300秒(5分)を入れようかどうか悩んだ結果がどう出るか。(よくよく考えてみたら30sとか使わないよなぁ...)


・DIP_sw_2の機能変更
変更前：off --- 北半球　on --- 南半球
変更後：off --- STA_sw で撮影・追尾中止(初期設定)
　　　　on --- STA_swで撮影中断・再開(追尾は継続)、STA_sw長押しで撮影・追尾中止

狙い：これも実際にコンポジット用に複数枚撮影をしていた時に不便に感じた事から追加変更してもらいました。初期設定では撮影を開始すると次にSTA_swを押さない限りインターバル2秒を挟んで設定した時限で撮り続けるのですが、一度止めてしまうと追尾を中止してスタート位置に戻ってしまいます。
これだと露出設定を変えて再開する時にフレーミングからやり直さないといけないので、あまり効率が良いとは言えませんでした。(特に180mmマクロ使用時)

レリーズケーブルの抜き差しをする事で追尾を継続しつつレリーズのonoffは可能でしたが、撮影を開始したらあまり本体には手を触れたくないので、開発者さんにお願いして自分には当分使う機会が無さそうな北・南半球切替モードを隠しコマンドの方に移動する形で、onoff動作を切り替えられるようにしてもらいました。(オーストラリアに行ったのは新婚旅行の1回だけ...)

星景：Canon EOS Kiss X4 SIGMA 15-30mm F3.5-4.5 EX DG ASPHERICAL

Astronomik EOS Clip-Filter CLS使用

2012:06:23 02:23:49 SS:169sec f:4.5 ISO:1600

実は春先まだ雪が残る日光へ写真を撮りに行った時、自由雲台のクランプの締めつけが悪かったのか、レンズを付けたD700がゴチンとお辞儀してしまいまいて、その時にHiglasi-1Aへ過大な負荷が掛っていないか心配だったのですが、本体到着後開発者さんがすぐにP-モーションを測って下さり、問題無いとの報告を頂き安堵したのでした。

P-モーション測定結果

測定結果からみると、エージングが進んだのか出荷時より良い値になっているように思えます。これでHiglasi-1Aの方も準備万端。梅雨明けして夏の夜空が見られるのが待ち遠しいです。

※P-モーション(ピリオディックモーション)：ざくっと言ってしまうと内部の歯車に起因する周期的に繰り返す誤差。(でいいのかな)この数値が小さければ小さいほど高精度な赤道儀といえます。単位は秒角。

タグ：Higlasi-1A Kiss X4 SIGMA 15-30mm F3.5-4.5 EX DG ASPHERICAL Astronomik EOS Clip-Filter CLS 星景